『コードギアス 反逆のルルーシュ STAGE-0-ENTRANCE』(岩佐まもる)感想
『BLACK MAGIC』(柿沼秀樹/士郎正宗原作)感想
- 作者: 柿沼秀樹,椿春雨,士郎正宗
- 出版社/メーカー: ソフトバンク クリエイティブ
- 発売日: 2007/04/12
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士郎正宗ですね、と。アップルシードですね、と。
社会批判を欠いたらまったく面白くない。
話はどうでもいい。良いのは絵だけですね。椿春雨さん。
もういいよ士郎正宗
★★☆☆☆
傍観者効果と時間給
サンダーバード車内での強姦について、ネット各所で「ありゃ傍観者効果っつーんだよしかたねーだろマスゴミが」という論調で、新聞だのテレビだのに対して鬼の首をまた取ったみたいな騒ぎをしているけど、何してるんやろなーって。誇張ありの個人的な実感なんでここに突っ込まれても困るけどね。
個人的な体験を話してみよう。
思い返すも一月ほど前、阪急に乗っていたときのこと。女性が一人、ヘッドフォンから大音量で音楽垂れ流しで座ってて、「あーうざいなー、終点まで一緒やったら最悪やなー、乗る車両変えようかなー」とか思ってたところに、一人の男性が登場。うっさいねん、みたいに喧嘩腰で迫り、その後は女性が音量を下げるも今度は言葉遣いだの、身体に触れた触れてないだのという騒ぎとなり、男性が警察に電話して次の駅で二人で降りて行きました。その間、車内は放置ですよ、当然。
私も注意しなかったクチですが、それは何故かって、時間に追われていたからです。バイトに行く途中でして。もし巻き込まれて時間をとられることになったら、バイトに遅刻or欠席、バイト先とかに多大な迷惑がかかるし、自分もそのバイトを続けられるかというのが問題になってくる。自分の我慢でその可能性が低くなるのであれば、我慢する。そんな話です。言い訳に聞こえたらすまんね。
「時は金なり」=“Time is money.”てな言葉が出てきたのは18世紀になってから、つまり産業革命後のお話。産業革命以前以後で変わったものってのは多いけど、時間に対する感覚もその一つ。サラリー=時間給ってのが出てきたの。ほいでもって、時間が金に換算できるようになった。
で、翻って最近の動向に眼を移せば、ホワイトカラー・エグゼプションなんでのはまさにその流れにのってる。サラリーってのは近代的な概念で、時間に対して賃金を払うことになってるけどそれっておかしくね? 生産した成果に対して報酬を払おうや、ってものがWEの本質って考える。すると、それは完璧にポストモダンってことなんだじゃないかね。
特急で起きた強姦事件ってのは、いわゆる「資本主義社会のひずみ」ってやつになるんだろうな。自分の金は惜しいからなるべく払わない。変えなきゃならんのは、電車で通勤するような一般労働者じゃなくて、会社の車で通勤するような雇用者側の意識なんじゃないかね。人助けして遅刻だとしても遅刻は遅刻だっていう意識をね。そんな意識、近代に入ってできたシロモンなんだから、疑ってかかっていいんじゃないかね?
「時は金なり」については
「くろご式ことわざ辞典」http://www.geocities.jp/tomomi965/kotowaza08/08-41-1.html
強姦事件に関しては
「Birth of Blues」http://blog.livedoor.jp/kingcurtis/archives/50374049.html
「日本の片隅で「バカ!」と叫ぶ」http://ameblo.jp/nakasan1960/entry-10031664260.html
各サイトの該当記事を参照した。リンク先は該当記事。
『靖国史観 −幕末維新という深淵』(小島毅)感想
- 作者: 小島毅
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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今まで江戸期に儒教(とくに朱子学)が敷衍して日本人の心性を形成したという理解だったけれど、それは一部の人間の間だけの話であって、水戸学+朱子学のコンビネーションが幕末〜明治にかけて一般的になって、日本をひきずっていったのだというのが小島氏の主張。おー、と。interesting。この人の前著『近代日本の陽明学 (講談社選書メチエ)』『海からみた歴史と伝統―遣唐使・倭寇・儒教』も読みたいものだ。
またこの人は、かの有名な日中歴史共同研究の近代史のメンバーで、政治学者だと思っていたがどうやら近代史がメジャーのようで。あの研究には個人的に異論もありますが、ほどほどに頑張って戴きたい。
『未完の明治維新』(坂野潤治)感想
- 作者: 坂野潤治
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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エピローグにまったく同意。
私の言葉で言わせてもらえば、いわゆる「明治維新」は、内輪の近代革命だったのだろうと。仲良しグループが徒党を組んで徳川政権を倒し、天皇を偶像化して担ぎつつ、彼らの郷里=日本を守ろうとしたのだと。そう思う。
良書。
★★★★★
『動物化するポストモダン』(東浩紀)感想
動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)
- 作者: 東浩紀
- 出版社/メーカー: 講談社
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副題が「オタクから見た日本社会」となっているが、内容とも合致している。要は、オタクに関する議論がメインではなく、ポストモダンや現代思想の話がメインで、素材をオタクに求めたものである。そのあたりは、副題で「動物化するポストモダン2」と銘打たれた『ゲーム的リアリズムの誕生』とは異なる点である。
要は、二重構造がそこらへんに広がっているということなんだろう、と勝手に解釈しておく。オタク論を期待して読むとバカを見るだろう。
後半は理論的すぎてちょっとしんどいっす。
★★★☆☆
『ゲーム的リアリズムの誕生』(東浩紀)感想
ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)
- 作者: 東浩紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/16
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「大きな物語」の喪失を考えれば、今後はますますワークス(=プロ)が生き残るのが難しいのではないか。というのも、ワークスが提供するものこそは、今まで大量の二次創作作品を生み出してきたのであり、ボードリヤールの言うシュミラークルに近付けば(この表現が正しいかは自信が無い)、プライベート(=同人)が「大きな物語」なしにシュミラークルを生産しつづけることになるだろう。TYPE-MOONや竜騎士07は一時の徒花と位置づけられる日が来るかもしれない。
普通に面白い
★★★★☆