『靖国史観 −幕末維新という深淵』(小島毅)感想

靖国史観―幕末維新という深淵 (ちくま新書)

靖国史観―幕末維新という深淵 (ちくま新書)

今まで江戸期に儒教(とくに朱子学)が敷衍して日本人の心性を形成したという理解だったけれど、それは一部の人間の間だけの話であって、水戸学+朱子学のコンビネーションが幕末〜明治にかけて一般的になって、日本をひきずっていったのだというのが小島氏の主張。おー、と。interesting。この人の前著『近代日本の陽明学 (講談社選書メチエ)』『海からみた歴史と伝統―遣唐使・倭寇・儒教』も読みたいものだ。
またこの人は、かの有名な日中歴史共同研究の近代史のメンバーで、政治学者だと思っていたがどうやら近代史がメジャーのようで。あの研究には個人的に異論もありますが、ほどほどに頑張って戴きたい。