『ILLEGAL TECHNICA 1 さまよえる賢者』(後藤リウ)感想
イリーガル・テクニカ(1)さまよえる賢者 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 後藤リウ,伊藤ベン
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/09/28
- メディア: 文庫
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絵は男○機械◎なんだけど、女×。デザインは伊藤ベンさん。Ben's Works Onlineを見たら、おにゃのこもカッチョ良かった。これからはチェックすることにしやう。
男とメカで終わり。
★★★☆☆
『神語りの玉座 星は導の剣をかかげ』(薙野ゆいら)感想
- 作者: 薙野ゆいら,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/02
- メディア: 文庫
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角川ビーンズ文庫は、美形男子しか出ない小説を出すレーベルなのですかね? まあそれを期待して買ったんですが。目をひいたのは、ひびき玲音のイラストでした。
第4回 ビーンズ小説大賞奨励賞受賞作とかで、オビに審査員・荻原規子のコメントが載ってました。「華のある世界づくり。スケールの大きな舞台を語る才を持っています。」だとさ。この華っていうのは美少年のことだと勝手に判断しているんだけど、テュリアークぐらいしか美形に感じない今日この頃。渡瀬草一郎の『空ノ鐘の響く惑星で』シリーズと比べちゃ可哀想だと思いつつ、やっぱりそれほどおっきい舞台でもないなと。
ちっちゃいテュアリークが最高です。
★★★☆☆
『マリア様がみてる あたを探しに』(今野緒雪)感想
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/03/30
- メディア: 文庫
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まだ引っ張るの?という感じ。ジャンプが不調だからって集英社、コバルトでせこく稼がなくてもいいのに。東浩紀の言をひいおけば、「その[注:ライトノベル]生産と消費の速度は、単行本より雑誌に近い」*1ため、ライトノベルのシリーズ物は、マンガ雑誌の連載感覚で捉えておいた方が良いのだろう。
内容に関しては、悪意に欠けるというか、ぬるま湯というか、それで売れたのだろうけれど、“レイニーブルー”で感じたような作者の底意地の悪さ(誉めている)が感じられない。感じられるのは、先程のように商業的都合でしかない。
600円近い価格帯となる厚さの新刊を期待する。
★★☆☆☆
*1:東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生』p.36 この書籍感想は後日。
『嘘だらけのヨーロッパ製世界史』(岸田秀)感想
- 作者: 岸田秀
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2007/02
- メディア: 単行本
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本書は5つに分けて考えることが出来る。
・バナールが『黒いアテナ』で行った主張について
・『黒いアテナ』への批判について
・バナールの反駁について
・上記3点についての筆者の推測(○○はこう言いたかったんじゃないか、など)
・筆者の主張
これが渾然一体となって繰り広げられているために、誰の意見なのか不明のまま放置されていることが多い。特にバナールの主張と、筆者の推測や主張が混濁していて学術書とは思えないほどである(筆者も自覚的ではあるが、だからと言って免罪されるわけではない)。まあハードカバーで1600円という価格からも学術書とは思えない雰囲気が漂ってきているが。
部分部分は面白かったり、新しい(=私の知らない)視点からのツッコミで非常に良いところもあるが、各論・総論でみると良くない。
★★★★☆
『民権と憲法 シリーズ日本近現代史②』(牧原憲夫)感想
- 作者: 牧原憲夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/12/20
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シリーズ第一巻とはうって変わって、淡々と事件が過ぎていく感じ。ナショナル・アイデンティティ(「わが国」意識)が、政府・民権派・民衆三者の係わり合いの中でどのように醸成されていったか、が主眼に据えられている。
岩波の編集部は、この“シリーズ日本近現代史”において、年来古典と呼ばれ重んじられていた岩波の書を革める、という意図をもっているのだろうか。第一巻なら遠山茂樹の『明治維新』、第二巻なら色川大吉の『自由民権』である。この仮説が正しいなら、なんだか面白くないというか、本気度を疑ってしまう。
読んでおいた方が良いのですよね、多分。
★★★★☆
『劇的ワンペーパー』(中野雅至)感想
- 作者: 中野雅至
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/03/23
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キャリア官僚から公募で大学教授に転じた人の書いた、ビジネス向けの文章本。これからは書く能力で稼ぐ能力が決まるとのたまうけれど、まともなレファレンスに欠けるので仮説の粋を出ない。さらに、ビジネス文章に修辞は要らないとは言うけれど、同じ本の中でまったく同じ比喩やなんやが出てくるのは戴けない。この人の“書く思想”には賛成できるけれど、本のテクニック自体に魅力は無い。
余談だけど、この人も同志社なんだよね。同志社出で有名な官僚といえばご存知、佐藤優ですね。かれは神学部でこの中野さんは文学部らしい。
★★★☆☆
『鋼殻のレギオスV エモーショナル・ハウル』(雨木シュウスケ)感想
エモーショナル・ハウル―鋼殻のレギオス〈5〉 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 雨木シュウスケ,深遊
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/01/01
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これ、面白いか?
- レイとんに想いを寄せる女の子たち
- 都市に降りかかる災厄
- グレンダンとレイとん
- リーリンの旅
- レイとんはツェルニを救う
大体この5つだけなのでマンネリ。次巻以降の展開のための布石だと信じたいな。
そろそろ第十七小隊に男を入れないと、ベタなハーレム小説になりかねん。シャーニッドもハーレイも影が薄すぎて面白くないのだ。脇役の男の描写が甘い小説はあまり良くない。
30分程度で読めるとは流石ライトノベル
★★★☆☆