Fateがなぜウケたかの考察−主人公編

18禁ゲーム、「Fate/stay night」(TYPE-MOON/以下Fate)が売れた要因を考えてみよう。
他にも知名度や価格、舞台設定、また斬新な演出方法などが挙げられるだろう。
たが、ここではその主人公・衛宮士郎に関わる『売れた要因』を調べてみる。
すると、次の3点が考えられる。

1.主人公が実は最強
2.主人公が常に受身
3.主人公が青臭い


1.は、純粋な強い者への憧れを消費者に喚起するということだ。
読売巨人が支持を集めるのも、十分な(とされる)戦力を集めたり、また過去に九連覇など輝かしい実績を誇るからで、換言すれば力への憧憬である。


2.は、この作品が18禁ゲームであるため、主な(というよりはほとんどの)ターゲットがオタクであることが関わっている。
世間一般でオタクとされる人間は、常に異性に対して受身である。
私は「卑猥えれくちおん」というイベント(4つのメジャーなサイトが共同企画したイベント。彼らは多分オタクである)の実況ラジオを友人の勧めで聞いていたのだが、その中で児玉さとみ(声優)が「そんなん(責めるのではなく少女に責められたい)だから彼女できないんだよ」と言っていたが、それはまさにオタクを表してはいないか。
さらに、ゲーム中にヒロインの一人・セイバーが士郎に「あなたは私の鞘だったのですね」というシーンがある。(これには別の意味が含まれているが、これはネタバレであるので割愛する。) つまりヒロインは剣である。しかし、剣は男根を意味してはいなかったか。とすれば、ホモ界でいうところの『受け』はヒロインではなくヒーローの士郎であり、『攻め』はヒロインである。これも私の論の傍証となりうる。


3.については、みとこんどりあ氏(賊軍が立て籠もる砂上の楼閣)の武装錬金レビューを読んでの推論である。
現在の『エロゲ』の主な購買層は、20〜30代の男性のオタクであるだろう。
彼らは思春期に、最盛期のジャンプを購読していた可能性が高い。
そして当時のジャンプでは、青臭い主人公の成長物語が描かれていた。
彼らの懐旧の念を誘うことで、Fateはその成功を補強したと言える。



続かないと思われます。