『法隆寺への精神史』(井上章一)感想

法隆寺への精神史

法隆寺への精神史

以前報告した通り、E.H.カーの『歴史とは何か』と齧るような速度で読み進めているわけですが、『法隆寺〜』での井上章一の手法が、歴史家が歴史を叙述する方法を逆からたどってその歴史家の背景を探るみたいな感じだと感じた。

この本は単なる学説史・史学史とか思想史でもなくて、かなり人間臭いところが面白い。うちの大学で日本近代史を専攻してるY助教授が、近代は人間が見えるから面白い、と語っていたけど、まさにそうなんだなぁと思う。

学問も世間の影響を受けずにはいられんのだなぁ、と感慨にふけってみたり。

個人的5段階評価ではA。人生を変える1冊になるかもしんない。