『保元・平治の乱を読みなおす』(元木泰雄)感想

若木未生『ゆめのつるぎ 少年源頼朝の巻』の重要参考資料としてあとがきに書いてあったのが気になってまして、図書館でタイトル見たときにまあ読もうかと借りてみました。


すごく良いです。歴史好きな人なら絶対読まなきゃ損だと思う。どうでも良い人とか嫌いな人にはちょっと辛いかもしれません。ヒマ潰し用の読み物としては落第ですから(個人的にそれで良いと思う)。

とにかく、教科書に載ってるような「保元・平治の乱」像をブチ壊してくれる良書です。源平が拮抗した力を持っていたというのは嘘で、構図的には応仁の乱に似ている、ということを筋道立てて説明してくれています。

これを読むにつけ、『ゆめのつるぎ』はちょっと配慮に欠けてるかなと思います。ちらっと再読してみるに、この本の内容を反映した記述が出てきていますがあまり目立たず、作者の意図が消えかかっているような気がします(虚実とりまぜる小説には仕方ないことなのかもしれないが)。


本屋で、図書館で、この本に出会ったときは、一度「はじめに」を読んでみて下さい。きっと興味が湧きますよ。


個人的5段階評価ではAです。オススメ。