『夢の宮〜諸刃の宝剣〜』(今野緒雪)感想
今野緒雪の『夢の宮』シリーズといえば、文字通り『夢の宮』がメインのシリーズで、その分キャラクター小説色が薄まっている感じがあります(個人的には好ましいと思います)。確か、『エイリアン通り』(成田美名子)もそんなコンセプトでしたね。こちらは漫画ですが(しかも未読です)。
感想ですが、最初から瑧珠が王を暗殺しようとするところまでは、主人公と秘密を共有し、そしてそれが達成されるか否かを見守るドキドキ感がありましたし、舞台の雰囲気やイメージも伝わってきました。
しかし、ラストのオチや、テン春の登場などはかなり突飛な印象を受けましたし、昭寧の娘たちの超能力?がまったくストーリーに関係無かったことにもショックを受けました。なんや、関係なかったんかい、みたいな。次巻以降への伏線なのかもしれませんが、もしそういうことを言われたとしても、割り切れなさは残ります。